著作権法 第二条 五 レコード

条文

第二条 五 レコード 蓄音機用音盤、録音テープその他の物に音を固定したもの(音を専ら影像とともに再生することを目的とするものを除く。)をいう。

目的

レコードの定義

本号における『レコード』とは、音を物質に固定することを指します。
通常の意味でのレコードは、音楽などが録音された円盤であり、「音声、音楽演奏などを吹き込んだ音盤のこと。円盤の上に、外周から内周に向けて螺旋状に細溝を刻み、その変化により音の信号を機械的に記録したもの。」(精選版 日本国語大辞典)。
しかし、本号においては、レコードは円盤に限らず、様々な形態の媒体が含まれます。これには蓄音機用の音盤、録音テープ、CD、オルゴール、ポータブルメモリカード、磁気ディスクなどがあります。ここでの重点は、音が物理的な媒体に固定されており、機械によって再生可能であることであります。したがって、レコードとは、物理的な媒体自体ではなく、その媒体に固定された音の抽象的な存在と考えるべきであります。

音の定義

固定される音の種類は多岐にわたるが、それらが著作物である必要はない。例えば、人間が奏でる音楽や自然界からの音響、さらにはオルゴールのような機械によって生成される音(作為音)も含まれます。

固定の定義

音を物質に固定することは、ある特定の音を物理的なメディアに記録し、後に機械を使ってその音を再生または出力できる状態にすることである。この文脈におけるレコードへの音の固定では、音を創造する創作性は特に必要とされず、音を機械的に記録することが主要な要件となります

音を専ら影像とともに再生することを目的とするものを除く。

本号のかっこ書きにある『音を専ら影像とともに再生すること』は、レコードの定義から外されます。例えば、映画のサウンドトラックやビデオゲームのバックグラウンドミュージックなどがこれに当たります。このような音はレコードとしての保護を受けないが、映画の著作物としての保護は可能であります。

参考資料

条解著作権法(小泉直樹他、弘文堂、2023年6月15日

標準著作権法第5版(高林龍、有斐閣、2022年12月28日)

著作権判例百選(第6版)(小泉直樹, 田村善之, 駒田泰土, 上野達弘 有斐閣、2019年3月11日)

文化庁「令和5年度著作権テキスト」

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