GPT-6.1 Terra解説:低コストと3倍超の速さ、PCを任せるAIの実力

人工知能

GPT-6.1 Terraの位置づけ

OpenAIは日本時間で2026年10月27日03:06、GPT-6.1 Terraを発表し、提供を始めました[1][2]。視覚推論、PC操作、自然な文章作成とコーディングを柱とし[3]、画面を理解してアプリを動かし、文章やコードにまとめる細かな作業まで任せられます。

標準API価格は100万トークンあたり入力$1.00、出力$5.00、キャッシュ入力$0.05です。旧Terraや上位のGPT-6.1 Solから50%以上の引き下げです。公式の実務タスク評価では、SolやGPT-6 Astraより3倍以上速く完了します[1][3][4]。安く速くなれば、継続利用もしやすくなるでしょう。

第三者機関Artificial Analysis(AA)も費用対効果を評価しています[4]。Intelligence IndexはTerraが48、Solが52です。平均タスク費用は$0.40対$0.72です[5]。個人サイトでも、低コストで画像整理や入稿補助を頼めそうです。

一方、同指数はAstraが53、Claude Opus 5.5が58、Sonnet 5.5が56。2026年10月27日時点で、最先端性能には差があります[6]。Kingy AIの公式成績整理も参照しつつ[7]、安さと速さを喜びつつ、OpenAIの性能競争への不安も含め、日々の作業での進化と限界を見ていきます。

主な進化と3つの特徴

視覚推論・PC操作

専門業務PC操作のAgents’ Last Exam v1では、mediumが旧Terraを15.0ポイント上回りました。Astra(medium)と同点を、トークン単価1/10、1タスクあたり約1/16の費用で達成しています。Claude Opus 5.5(max)に対しては、3倍以上のトークン効率・1/4のトークン単価により、Terra(max)は1タスクあたり約9分の1(約8.7分の1)の費用です[1][7][8]。

モデル・設定成功率タスク費用
Terra medium57.6%$0.29
Terra max60.0%$1.01
GPT-5.6 Terra medium42.6%$0.84
Luna max50.9%$0.14
Sol max58.6%$2.00
Astra medium57.6%$4.82
Astra max59.3%$7.24
Claude Opus 5.5 max63.2%$8.82

GPT-6系では、Astraが最難関の推論・研究、Solが高度な開発、Terraが視覚理解・PC作業、Lunaが軽量処理を担います。作業次第でTerraが上位を超えます。

MMMU-Pro(Vision)はmedium 84.6%、max 85.5%で、旧Terra maxの81.7%を超え、Sol 86.3%、Astra 86.7%に迫ります。OSWorld 2.1(デスクトップ操作、offline set)もmedium 66.7%、max 74.2%と、旧Terra maxの57.1%を上回りました[1][7]。

仕様は105万トークン(入力92.2万/出力12.8万)で、知識カットオフは2026年6月1日です。テキストと画像を入力し、テキストを出力します。推論はnone/low/medium/high/xhigh/maxの6段階から選べます。ツール・PC操作にはResponses APIのv1/responsesが必須です[3][9]。ホスト型ツール10種はcomputer_use、web_search、file_search、code_interpreter、hosted_shell、apply_patch、skills、mcp、tool_search、image_generationです。

なお、APIティア別の標準レートリミット(RPM=毎分のリクエスト数、TPM=毎分のトークン数、およびBatchキュー上限)は以下のとおりです[3]。

ティアRPM/TPMBatch上限
Build5,000/100万300万
Launch10,000/400万2億
Grow15,000/4,000万150億

ChatGPT Work/CodexはPlus・Pro・Enterprise・Eduへ展開され、Ultra設定も選べます[1][2]。Amazon Bedrockは同日に一般提供を始めました[10]。

用途には請求書の会計ソフトへの転記、建築図面の3D化、映像のショット別・タイムコード付き修復ログ作成があります[1]。

ハルシネーションの激減

社内エラー誘発評価の事実誤認率は、旧Terraからlowで53.6%→16.7%、max22.3%→4.3%へ下がり、mediumは10.1%でした。maxはSol 4.4%、Astra 4.2%に並びます[1][7]。システムカード追補はPreparedness Frameworkのサイバー領域Criticalの保護策継承とプロンプトインジェクション耐性を説明しています[11]。操作ミスが消えるわけではありません。

AA-Omniscienceの指標結果読み方
ハルシネーション率88%→38%知らない問題での推測が50pt減
正答率(Accuracy)47%→49%正答が+2pt
総合指数(Index)30、Sol 42正答・誤答を統合した別指標

推測抑制と知識増加は別です[4][5][7]。38%は日常業務の誤り率ではなく、指数30も正答率ではありません。

API価格比較と速度実測

以下の料金は100万トークンあたりの米ドル表記です。入力が27.2万トークンを超えると、リクエスト全体に長文割増が適用されます[1][3][4][7]。

モデル・方式入力出力キャッシュ入力
Terra標準$1$5$0.05
Batch/Flex$0.50$2.50$0.025
Fast$2$10$0.10
長文割増$2$7.50$0.10
GPT-5.6 Terra$2$12$0.20
GPT-6.1 Sol$2$10$0.10
GPT-6 Astra(推定)約$10約$50—

Terraのキャッシュ書込は30分保持で$1.25、12時間で$2.50です。ツール料金は別途かかります。公式の3倍超はタスク完了速度の比較です。

AA実測をTerra対Solの順に比べると、出力は約91対約74 tokens/sです。最初の回答トークンまで約78〜134秒[77.96〜133.64秒]対約278〜284秒[278.01〜284.31秒]、エンドツーエンドは約83〜139秒[83.46〜139.14秒]対約285〜291秒[284.77〜291.11秒]でした。回答開始までとエンドツーエンドの所要時間では、Terraの方がSolの2倍以上高速です[5]。この幅は計測スナップショットによる変動です。生成速度、推論待ち、作業完了は区別が必要で、1タスクの所要時間は約384〜385秒対約501〜527秒でした。公式倍率とは条件が異なります。

AA知能指数で見る光と影

上位モデルに迫る能力とコスパ

AA Intelligence Index v4.3.2はTerra 48、Sol 52、旧Terra 42、Luna 38です。平均タスク費用はTerra $0.40、Sol $0.72、旧Terra $1.40でした[4][5][6]。反復作業ほど費用差が効きます。

AA Coding Agent Index v2.0は48で、Solの54とLunaの31の間です。lowとxhighは、費用と性能の効率的な境界(パレートフロンティア)上です[4][5]。ただし難しい修正は軽い設定で通るとは限りません。

公式Terminal-Bench-Science 0.1は58.3%とSolの57.0%を上回りました。Opus 5.5の63.3%との差は5ポイント以内で、推定コストは1/5未満です[1][7]。AA測定では、次の結果でした[4][5]。

AA測定の評価TerraSol
Terminal-Bench 4.056%56%
SciCode55%54%
AutomationBench-AA60%65%
Humanity’s Last Exam46%53%
AA-Briefcase v1.114021555
GDPval-AA v2.114761608

このように、Terminal-Bench 4.0やSciCodeではSolと並ぶ一方、推論や業務の評価では差があります。

Sol/Astraとの差とClaude 5.5世代

TerraのAA知能指数48は、Solの52、Astraの53には届いていません。CodeRabbit SecureもDaybreak Defense Network参加事例でSol/GPT Cyberを採用していますが[17]、Terraとの直接比較ではありません。

主要比較Claude 5.5世代AstraSolTerra
AA知能指数Opus 58/Sonnet 56535248
Agents’ Last ExamOpus 63.2%59.3%58.6%60.0%
OSWorld 2.1Sonnet 83.9%80.9%78.0%74.2%
公式Terminal-Bench 4.0Sonnet 70.6%58.2%55.9%50.3%

設定はmaxで、AAのClaudeはmax with fallbackです[1][6][7]。AA知能指数ではMeta Muse Wonder Fullも56、Moonshot Kimi K3.1 Proも55を記録しています。業界最先端の首位を譲る現状も見逃せません。AAのTerminal-Bench 56%と公式50.3%は環境が違い、混ぜて順位は付けられません。

まとめ

Terraには、PC操作や視覚推論の実用性向上にとても期待しています。AA Intelligence Indexの48はSolの52に迫り、平均タスク費用も低く抑えられます。画像確認や入力、結果の整理を任せられれば、サイト運営の負担が減りそうです[3][4][5]。

それでもSol/Astraとの性能差は残り、Claude 5.5世代などが先行しています[1][6][7]。コスパの改善だけでなく、OpenAIが純粋な最先端性能の競争で競合に勝てなくなってきているのではないか。率直に不安です。

私は、PC操作や視覚推論の実用性向上にとても期待しています。原稿の入稿、見出しや画像の配置、プレビュー確認が残ります。画面を読む力と操作する力が伸びれば、この往復を頼めそうです。AA知能指数で48対52とSolに迫りながら、平均費用は$0.40対$0.72。低コストでなおかつ高速で使えるのはうれしいです[4][5]。

ただ、TerraがSol/Astraに性能で劣り、Claude 5.5世代が先行する状況は不安です。OSWorld 2.1でSonnet 5.5は83.9%、Terminal-Bench 4.0で70.6%、Agents’ Last Exam v1でOpus 5.5は63.2%。AA知能指数でもOpus 5.5が58・Sonnet 5.5が56に対し、Astra 53・Sol 52・Terra 48です[1][6][7]。コスパの改善だけでなく、OpenAIが純粋な最先端性能の競争で競合に勝てなくなってきているのではないか、とも思ってしまいます。雑務を軽くし、難しい課題でも頼れる存在であってほしい。役立った場面も任せにくかった場面も考慮し、結果から判断したいです。

参考資料・出典

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